日本のトップクラスにある京都の茶師（緑茶のソムリエ兼ブレンダー）が特別な煎茶をブレンドしました。はんなりとした優しさの中にしっかりとした滋味が内包され、伝統的な京都の懐石料理にも似た奥深い味わいを追求しました。

用いた茶葉は、抹茶や玉露にも用いられる京都産のおくみどりをベースに、宮崎産、そして鹿児島産、各々第一級品をブレンド。年間平均、数千種の利き茶を行い続ける老練の茶師が、目指す風味に必要となるものだけを集めて作り上げた、伝統の京都産煎茶の風味が息づく逸品です。

緑茶は他の農産物と同様に、同じ品種でも地域や作り手によって個性や風味は大きく異なります。日本の東と西では食文化の違いから、緑茶の風味も大きく２つに分かれる傾向にあります。 静岡など東日本地域の男性的な力強い風味に対して、京都産をはじめ西日本地域では女性的なやさしい風味が特徴となっています。

おくみどり：
やぶきたと静岡の在来種から選抜された静岡在来１６号を交配させた優良品種。色鮮やかな色彩とやわらかな甘さを持ち、渋味や苦味が少なく、強い癖がないことから、高級煎茶用としてだけでなく、抹茶や玉露にも幅広く使われています。生産者からは、第二のやぶきたとして期待を集めています。

やぶきた：
日本の在来種から選抜されたやぶきたは、現在、国内生産の約７５％を占める総合的に最も優れた茶品種。濃厚な旨味、適度な渋味と苦味がバランスした風味と、優雅な香りが特徴です。

ブレンドの一般的な目的は、一定期間に渡る量産化を実現するための風味の均質化にあります。対照的に、この煎茶のブレンドのように、単一品種だけでは実現できない複雑な風味のバランスを追求する目的で行われることもあります。

緑茶も農産物である以上、風味や品質のバラつきから逃れることが出来ません。しかしそのバラつきを個性と肯定的に捉えて慎重に組合せることで、バランスがとれた複雑な風味を実現することが可能となります。第一級の茶葉は各品種の特徴が強く表れます。その強い個性を熟練の茶師だけが、求める風味のバランスに整えることが出来ます。