玄米茶は日常の緑茶として親しまれている番茶類の代表格。静岡銘茶・本山茶産地の一つ梅ケ島の在来種・一番茶で仕立てた玄米茶は、香ばしい玄米の香りの中に煎茶の豊かな風味が引き立つ上級の玄米茶として仕上がっています。

通常は二番茶以降の茶葉「番茶」が使用されますが、個性的な在来種の一番茶を用いたことで、新茶の爽やかな風味の中に、どこか懐かしい味わいを感じる緑茶です。

静岡銘茶「本山茶」の主要な産地の一つ梅ケ島は、標高７００Ｍを越す高地にある優良産地。 安倍川、藁科川流域の山間部で生産される緑茶は、「本山茶」と呼ばれ、静岡の中でも銘茶として知られています。「本」とは、本茶と非茶の区別を意味すること で、他産地の茶葉とは明確に区別されました。 江戸時代には、将軍・徳川家康の御用茶の産地として全国へと広がり、緑茶生産の歴史はおよそ800年に及びます。

1000Ｍを越す山間部周辺の地層は、「瀬戸川層群」と呼ばれれる３〜６千万年前の古生層であることから、緑茶生産には最も適した地層と言われていま す。本来、山の作物である茶の木にとって高地の気候は理想的な成育環境であると言われ、標高が上ると、気温の低下などから成育のリスクは高まるものの、平野部の緑茶には無い深い香りと滋味が得られるのです。

山間部などで自生していた茶の木を在来種と呼びます。山の植物である茶の木は「他家受粉植物」といって、同じ種類同士では交配が行われません。そのため自生していた茶の木は、異なる種と自然交配を繰り返すことで、天然ブレンドの茶の木として繁殖します。

その風味は当然雑味が多くなることから、在来種の多くは茶農家の自家用として生産されてきました。近年、天然ブレンドである在来種が持つ複雑な味わいが、一昔前の素朴な緑茶の風味を感じさせてくれることから、緑茶の愛飲家を中心に支持が広がっています。