玉露
独特の風味を持つ高級茶 ”玉露”
高級茶の代表として知られる「玉露」。普通煎茶とほほ同じ製法でつくられますが、大きな違いはその栽培方法にあります。玉露は、収穫前の10〜20日の間、よしず棚や簾で茶園に覆いを施し、直射日光を遮った薄暗い環境(覆下園)で栽培されます。旨味成分のテアニンが渋味成分のカテキンに変質するのを抑制することで、旨味や甘みが強い美味しいお茶ができ上がります。通常、収穫直前まで20日以上覆いを掛けたものを「玉露」と呼びます。
玉露
覆い下栽培による独特の香りとアミノ酸を多量に含んだ強い旨味は、玉露でしか味わうことが出来ない風味です。玉露生産はより多くの手間を必要とします。新芽の発芽後、収穫の約3週間前から日光を遮り、遮光率を70%前後から収穫前には90%以上まで高めながら慎重に生育します。収穫は一番茶の茎の先端にある柔らかい新芽だけを丁寧に摘み取るため全て手作業で行われます。
伝統本玉露
一般的な玉露の他に、歴史的な生産方法を用いた「伝統本玉露」があります。より自然に近い生育手法や、天然の藁で編んだ遮光材を用いるなど、最も手作りに近い生産手法を用いるのが大きな特徴です。風味は一般的な緑茶とは大きく異なり、文字通り伝統的な深みとコクのある味わいにその特徴があります。
伝統本玉露の呼称は主に九州地方で用いられ、一定の基準となる製造条件で生産された玉露を表します。一般的な玉露の生産方法とは明確に区別され、自然素材で作られた遮光材を用いるなど、より手作りに近い手法がその基準となっています。