日本産緑茶を代表する茶種 “煎茶”
日本国内の緑茶消費量で70%を占める茶種「煎茶」。摘んだ茶葉をすぐに蒸して発酵を止め、揉み込みながら水分量を3%程度まで乾燥させて仕上げる。この製法は、江戸中期、京都の宇治で永谷宗円によって考案され、日本産緑茶に独自の風味を与えることになりました。また、この蒸し製法は煎茶をはじめ、玉露、かぶせ茶、抹茶の原料となる碾茶など、さまざまな茶種に幅広く用いられたことで独自の風味が生まれ、日本産緑茶の大きな特徴となっています。
主な煎茶種
普通蒸し煎茶
普通蒸し煎茶は、主に上級茶葉に用いることが多い基本的な製法で、蒸し時間が10〜20秒程度と極めて短時間に処理を行います。中級の茶葉では、中蒸しといわれ、蒸し時間は20秒〜1分程度とやや長めに行います。蒸し行程では、新茶の香り成分である青葉アルコールと旨味成分のテアニンを残すため、茶葉の状態に合わせて細心の注意を払いながら蒸し時間を決めています。緑茶の自然な香りを保ちながら、旨味が強く、渋味、苦味が程よくバランスした豊かな風味にその特徴があります。
深蒸し煎茶
深蒸し煎茶は、葉肉の厚い茶葉や成長がやや進んだ茶葉などに多く用いられる製法です。1〜2分とやや長めの蒸し処理を施し、渋味と苦味成分であるカテキン類の生成を抑制することで、まろやかな味わいに仕上げることが出来ます。深蒸し煎茶は、渋味が少なく、やわらかい甘味による飲みやすさと、鮮やかな緑色の水色(抽出液の色)に人気があります。
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