料理と日本茶 取り合わせを楽しむ
日本産緑茶の豊富な茶種はさまざまな料理との組み合せを可能とします。また淹れ方を工夫することで組み合わせる料理の範囲はさらに広がります。西洋料理では水出し緑茶などとの意外な相性の良さが注目され、食中のアルコール飲料の代替や、健康的なソフトドリンクとして人気を集めています。
日本料理と日本茶
日本料理は魚や野菜を調理する際、素材が持つ風味を最大限引き出すために、加熱や調味料などは必要最低限に留める傾向にあります。そのため料理によっては素材の風味が口に残るものも少なくありません。緑茶は高い清涼効果を持つことから、食後、口中に残った寿司や魚料理などのやや強い後味も、素早く中和され爽やかに保つ事が出来ます。多くの種類をいただくコース料理でも、各々の料理を新鮮な感覚で味わうことが出来るのです。
世界的なブームとなった「寿司」では、粉末状に加工した「粉茶」を頂くのですが、これは緑茶の中ではやや特殊な部類の茶種であり、魚の臭みを抑える効果が強いことで古くから用いられてきました。また、茶会の席で懐石料理の食後に頂く抹茶のように、旨味の強い高級茶を食後に味わうのも格別な楽しみ方の一つです。 料理の種類や状況に適した茶種を各々選び、愉しむことが出来るのも日本茶の大きな特徴なのです。
日本料理との組合せ例
※日常の和食から懐石料理まで、すべての日本料理。
※玉露は茶の風味そのものを味わう傾向が強く、食後やお茶請けなどで楽しまれる。
※抹茶は茶の風味そのものを味わう傾向が強く、 食後やお茶請けなどで楽しまれる。
※高い清涼効果から、 天麩羅などの油を使用した料理などで好まれる。
※日常の和食を中心にすべての日本料理
※高い消臭効果から、寿司、刺身など、強い風味の食材を用いた料理に組み合わさせる。
西洋料理と日本茶
アルコール飲料やミネラルウォーターなど、西洋料理の食中飲料の代替として日本の緑茶が注目されています。中でも、香りに特徴がある良質な煎茶を用いた水出し緑茶は、苦味や渋味が抑えられながら旨味が抽出されることで、煎茶の個性的な香りに、爽やかさとまろやかさを加えた、これまでには無かった風味が味わえます。通常、白ワインなどと組み合わされる魚介料理や野菜料理との相性の良さが料理関係者にも認知され、日本茶をよく知るレストランのテーブルには、水だしの高級煎茶や玉露など、旨味の強い茶種が登場し始めています。
西洋料理との組合せ例
※水から抽出した煎茶は、高い清涼感と旨味がバランスして、料理との相性は最も幅が広い。
※香りに特徴のある煎茶用品種との相性が良い。
推奨品種:おくひかり、香駿、やまかい、ふじかおり、さくらかおり
※旨味を引き出した西洋料理の食後などに適している。
※抹茶の苦味、甘みがバランスした風味と、甘い菓子類との相性は最適。
※カラメル作りで生成される香味成分・メラノイジンと、焙じ茶を焙煎した時に発生する香味成分・ピラジンとの相性が良い。
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